日産自動車は4日、2010年3月期の第2四半期累積業績と通期見通しを発表した。中国の販売好調などにより、通期の営業損益は期首時点の1000億円の赤字から一転して1200億円の黒字(前期は1379億円の赤字)に修正した。
中国の販売は前期比31%増の71万2000台を計画。日本も横ばいを見込み、世界販売計画は期首の308万台から330万台(前期比3%減)に上方修正した。
米国の中古車価格の上昇も収益改善に大きく寄与する。前期にリース残価下落によるの引当金を積んだこともあり、今期は1300億円の増益要因となる。売上高は500億円多い7兆円(17%減)としている。
ただ、借入金の増大による金融収支の悪化や設備消却損、税負担増などにより最終損益は400億円の赤字予想となった。期首時点では1700億円の赤字としていた。
志賀俊之COOは「上期の実績は回復基調となったが完全とはいえない。経営環境は不安定かつ不透明であり危機は去っていない」と慎重な見方を示した。そのうえで引き続き「リカバリープラン」を順調に推進すると強調した。
第2四半期累計の業績は新車販売が15%減少したものの、販売費や購買コストの削減、米国リース残価改善などにより営業利益は949億円(前年同期比50.5%減)確保した。純利益も92.9%減の90億円と黒字転換した。