日本でのレクサス車初の前輪駆動モデルにして、やはり日本でのレクサス車初の4気筒エンジン搭載車。 そんなこのモデルは、「『IS』と並んでレクサスブランドへの入り口を大きく広げたい」という思いから開発された1台であるという。ならばなおの事、発売直後にトヨタブランドの兄弟車を投入というのはどうしたものか。あくまでもスクープ情報だが、そんなトヨタ版は、『HS250h』とほぼ同じ基本性能で価格はグンと低いとの事。自分だったら購入直後にそんなものが登場しちゃったら、やっぱり何となく裏切られたような気がすると思うんだけどナ…。 と、のっけからちょっと注文を付けたくなったものの、走りの質感はやはり『プリウス』などより1ランク上質という実感はある。エンジン始動時の静粛性の高さはこちらが上だし、感じる加速力もこちらが勝る。フットワークの仕上がりは17インチシューズ+ノーマル脚の仕様が最上位で、見た目上から18インチを選びたいのであれば、その際はノーマル脚ではなく「バージョンS」に用意される専用チューニング仕様の方が、継ぎ目乗り越え時のショック等の減衰に優れてよりスッキリとしている印象。 「どっちがフロントか」とメリハリに欠ける(?)エクステリアに比べると、手前にリモートタッチを配した特徴的デザインのセンターパネルを持つインテリアの方が『華』がありそう。 惜しいのは、付け根付近が太く前進したAピラーによる死角が常時運転視界に入り込んで気になる事。ワイパーの作動がせわしなく感じられるのは、アームが長いので先端付近の動きが早いからか。それにしても、このクラスでプレミアムを謳うモデルならば、もはやパーキングブレーキは電動化をするのが当たり前でしょ!? ■5つ星評価 パッケージング:★★★ インテリア/居住性:★★★★ パワーソース:★★★★ フットワーク:★★★ オススメ度:★★★ 河村康彦|モータージャーナリスト 1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。