横浜ゴムは29日、「FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)」のワンメイクタイヤサプライヤーとして、2010年から2012年シリーズに環境性能を高めたECOレーシングタイヤを供給すると発表した。
今回開発したECOレーシングタイヤはゴムに配合するオイルを変更した。2010年から欧州で使用が禁止される従来の芳香族系オイルを多環芳香族成分(PCA)の少ないオイルに切り替え、乗用車用エコタイヤ『DNAアースワン』に採用したオレンジオイルを配合した。オレンジオイルはゴムをしなやかにし、グリップ力を向上させるため、環境性能を高めながら従来タイヤと同等レベルの操縦安定性やドライ・ウェットグリップを発揮するとしている。
同社は2006年から同レースにワンメイクタイヤサプライヤーとして「ADVAN A005(ドライ用)」「ADVAN A006(ウェット用)」を供給している。2010年から、ECOレーシングタイヤの供給に切り替えて、レースでも環境活動を採り入れていく。
同社は中期経営計画の商品開発で「2017年までにすべての商品を環境貢献商品にする」ことを目標としており、ECOレーシングタイヤの開発もこうした活動の一環。昨年の「十勝24時間レース」では非石油系資源の使用率を高めたECOレーシングタイヤで参戦している。
レース活動で培ったデータを活かし、走行性能と環境性能を高いレベルで両立したタイヤを開発する。