太陽光エネルギー船の実験結果 新日本石油と日本郵船

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太陽光エネルギー船の実験結果 新日本石油と日本郵船
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新日本石油と日本郵船は、両社が共同開発した太陽光エネルギーを動力源の一部とする自動車専用船「アウリガ・リーダー」(総トン数=6万0213t)の竣工から7か月間の実験結果を公表した。

船は2008年12月19日に竣工後、2009年7月13日までに4航海(全207日間)を終了した。この間、太陽光発電システムの運転は2600時間に達し、太陽光パネルによる総発電量は同じ期間の家庭消費電力約17軒分に相当する3万2300kWhに達した。これは、東京(陸上)で発電した場合に比べて1.4倍程度の発電量となる。

今後、更なる検証が必要だが、東京よりも航海域での太陽高度が高く日射強度が強かったことや平均日照時間が長かったこと、さらに船の受ける風によりモジュールが冷却され、変換効率が上がったことなどが要因と推定している。

太陽光発電が船動力に占める割合は0.05%、ポンプや照明設備など船電力に占める割合も約1%と当初予測した通りの結果で、これにより、年間約13t(14キロリットル)の燃料節減、約40tのCO2排出量削減を見込んでいる。

一方、プロジェクトでは、航海中の過酷な環境下でも船舶推進動力へ安定した太陽光発電の電力供給を実現するため、太陽光パネルの耐久性も検証している。これまでの航海で、3時間の激しい雷雨や20時間の強風(約20m/秒)、48時間3 – 4mの波が連続するなど、悪天候に遭遇したが、システム全体は順調に稼動している。

両社ではプロジェクトは順調に進んでおり、将来、太陽光発電システムが船舶の推進力の一助として実用化されるよう、引き続き実証実験を続けるとしている。

《レスポンス編集部》

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