【マツダ アクセラ 新型】磨きをかけた2代目

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6月12日、マツダのグローバル戦略モデル『アクセラ』が、初代モデルのデビューからほぼ6年ぶりに新型モデルのデビューを果たした。

初代アクセラは欧米での販売が、マツダの当初の予想を大きく超えて好調だった。大手メーカーに比べてモデル数が少ないマツダにとって、芽の出たモデルは貴重である。新型モデルでは、アクセラをさらに大きく育て、マツダブランドを高めていく必要があった。

新型アクセラの開発を指揮したのは前田剛享氏。マツダに入社後、NVH(騒音・振動)技術を担当した後、初代『デミオ』、最終型『ファミリア』、プレミアムコンパクトの『ベリーサ』などの開発推進部に所属。2003年、初代アクセラが発売されて間もない頃、この新型アクセラの主査に任ぜられた。

新車の開発は通常、まずメーカーの商品戦略全体の中でのそのモデルの意味づけや商品の方向性といった大まかなコンセプトが決められ、その後に主査が任命されて開発がスタートする。が、新型アクセラの場合、珍しいことに個別のクルマづくりの検討に入る前の段階で主査がアサインされたという。

前田:「5年以上ずっと設計をやっていたというわけではありません。最初の2年間くらいは、欧州で非常に高い評価をいただけたアクセラのブランドをさらに確固たるものにするには新型をどのようなクルマにすべきか、徹底的に考えることに費やしました」

5年半以上という開発期間は、国産車の中では相当に長い方で、欧州メーカーに近い。新型アクセラにはそれだけの執念が込められていたと言える。

前田:「成功作となった初代モデルから継承・進化させるべきものと、変えるべきものを徹底的に洗い出しました。初代モデルで評価が高かったもののひとつは、スポーティでダイナミックなデザイン。新型ではそれに有機的なデザイン要素を加えて、表情の豊かさも付け加えました。運動性能は、アメリカのマスメディアが同クラスのクルマを評価するさいにアクセラをベンチマークモデルとして使用していたくらいに評価されていた部分なので、さらに磨きをかけました」

前田:「そのうえで、乗り心地の粗さ、NVH性能の低さ、ステアリングレスポンスが過敏であることなどの不評点については、徹底的に改良することにしました。燃費の向上も必須で、走りを犠牲にせず、価格も安い環境デバイスとして、新型アイドリングストップ機構(搭載されたアイストップのこと)を装備し、空力も徹底的に洗練させることにした」

設計開始時点でイメージしたのは、同じCセグメントでもより高級な「プレミアムC」と呼ばれるBMW『1シリーズ』、アウディ『A3』の質感、性能を普及版Cセグメントで実現することだったという。

実際、新型アクセラに試乗してみると、うねった路面をハイスピードで通過しても上下の揺すられ感が少ないフラットな乗り心地で、路面騒音もよく抑え込まれており、開発の狙いは十分に達成されていると感じられた。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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