米国のT3モーション社は6月30日、新型EVの『CT3』の概要を明らかにした。3輪スタイルの流麗なフォルムを持つシティコミューターEVだ。
カリフォルニア州に本拠を置くT3モーション社は、2006年に3輪EVスクーター、『T3』を米国内で販売開始。T3は『セグウェイ』と同様のバランス装置を備え、立ったまま乗るのが特徴だ。警察や警備会社がパトロールしやすいように配慮されている。
パワーの源は2個のリチウムポリマーバッテリーで、最高速は約40km/hと実用的。すでに米国内では1200台以上のT3が販売されており、第79回アカデミー受賞式の警備で活躍したのが記憶に新しい。
T3モーション社は2008年、4輪EVの『CTマイクロカー』を発表。それから1年後の今回、3輪EVの『CT3』を初公開した。
CT3には3輪スクーター、T3のノウハウが生かされている。注目はその流麗なフォルムだろう。車体中央からボディ後部にかけて、スピード感のあるデザインを採用。3輪車ならではのボディ後部の絞り込みが、強烈な個性を生むことに成功した。
CT3の心臓部には、T3で培われた「T3モーションパワーマネジメントシステム」が収まる。2次電池はリチウムポリマーバッテリー。シティコミューターとして割り切ったことで、最高速は72km/hと必要十分な性能を実現した。3輪駆動の足回りが、安定感のある走りをもたらす。
T3モーション社のキ・ナムCEOは、「CT3には我々の最新技術を投入。EVの未来を切り開くモデル」と自信たっぷりだ。
T3モーション社は、将来的に『CT3-S』と呼ばれる強化版を投入予定で、最高速は130km/hを目標にしている。同社はこのCT3-Sで2010年に開催される世界燃費競争レース、「X PRIZE」に出走する。
このレースは、ハイブリッド、燃料電池、EV、ソーラーカーなど136台が参加し、燃費世界一を目指して争うもの。世界11か国から、自動車メーカー、大学、研究機関など111チームがエントリーしており、過酷なレースで、CTSの高性能ぶりをアピールする方針だ。