【池原照雄の単眼複眼】トヨタ、「環境工場」も人づくりから

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◆新しい顔をもつ堤工場

年産45万台規模の能力を有するトヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)は、空前の初期受注となっている『プリウス』の主力生産拠点だ。同時に、環境に配慮した「サスティナブル・プラント」のモデル工場でもあり、その取り組み状況が8日、初めて報道陣に公開された。

堤は来年、稼動開始から40年を迎える古い工場だが、世界でも最先端の環境ファクトリーという新しい顔が徐々にできつつある。その取り組みは、工場というハード面のしつらえだけでなく、「人」を巻き込んだトヨタらしいアプローチとなっている。

トヨタは2007年夏に、地域や社会との共生を図りながら企業としての発展を追求するため、「製品」「モノづくり」「社会貢献」という3つの「サスティナビリティ(持続可能性)」を掲げた。このうち、モノづくりでは堤工場を「サスティナブル・プラント」として、環境との調和を先行的・実験的に追求している。


◆「いつまでも在り続けて欲しい」と思われたい

モデルプラントとしての活動は、(1)再生可能エネルギーの導入、(2)工場の森づくり、(3)エコマインド---の3本の柱から成る。

堤工場はもともと継続的に省エネに取り組んでおり、ガスコージェネ装置や小型ボイラーなどの導入により06年時点のCO2(二酸化炭素)排出量は1990年比で5割強削減している。
こうした伝統的な省エネ活動とともに、再生可能エネルギーの活用策として08年3月には工場の屋根に太陽光発電装置(ソーラーパネル)を2000kW分設置した。家庭用に換算すると約500戸分であり、自動車工場では世界最大という。

2番目の森づくりは、地域住民の参加も仰いで推進している。08年5月には工場で、この地域の自然植生種である常緑広葉樹を中心に5万本の植樹イベントを行った。

目標とする「いつまでもここに在り続けて欲しいと思われる工場」(工場長の藤岡高広常務役員)づくりに、地域住民の参画は欠かせないとの視点による。


◆柔軟に変貌する「カイゼン」

一方、活動のもうひとつの柱である「エコマインド」は、従業員の環境意識の醸成を図るものだ。堤工場がモデルプラントとなって、新たに掲げたスローガンは「エコな車は、エコな工場・人から」だった。

ここの主力車種であるプリウスは、同社のエコカーの象徴でもあるが、製造過程でも環境負荷を抑制しようというもの。そのためには、工場自体やそこで働く人の意識も変わらなければ進まないという発想だ。

トヨタの現場を支える「カイゼン」も、この工場では一味違う。工場内に掲示されたQCサークルの活動内容では、廃棄物の削減や省エネなど「環境」をテーマにするものが多く見られる。

品質の自工程つくり込みや、「ムダ・ムラ・ムリ」の撲滅といったトヨタ生産方式の根底を成してきたカイゼン。その訴求テーマは時代の要請に応じて柔軟に変貌するということを強く実感させられた。
《池原照雄》

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