アルファの入門車としてベビー・アルファと呼ばれる『MiTo』。バンパーに食い込むグリルデザインがアルファらしいが、ちょっとファニーな感じの顔つきなどは最近のアルファとは違った印象を与える。インテリアも随所にアルファらしいこだわりを感じさせる仕様が用意されていて、アルファファンを泣かせる仕上がりになっている。 1.4リットルのターボ仕様のエンジンは、けっこうやんちゃな味付けで、低めのギア比が設定された1〜2速ではすぐに吹けきってしまう感じになる。しかも「D.N.A.」と呼ぶモードの選択機能が付いていてD(ダイナミック)を選ぶとターボの過給圧が高まる仕組み。より低回転で太いトルクが得られるほか、ステアリングの操舵フィールも変わってスポーティさが演出される。足回りまでは変更されないが、このクラスでモード選択機能があるのは珍しい。 エンジンそのものは、たとえばVW『ゴルフ』に搭載される「TSI」が、同じ1.4リットルターボながら極めて洗練された走りを見せるのに対し、MiToのエンジンは全く違った方向性が目指されていて、それがアルファらしさとして表現されている。3ドアハッチバックのボディだけであることと6速MTだけの設定であることなどを考えると、限られたアルファファンに勧められるクルマといえる。 5つ星評価 パッケージング:★★★★ インテリア/居住性:★★★ パワーソース:★★★ フットワーク:★★★★ オススメ度:★★★ 松下宏|自動車評論家 1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
元祖“ベイビー・アルファ”はスーパーカー『8C』のデザインを受け継いだ小さな上質車だった【懐かしのカーカタログ】 2025年6月29日 2008年6月に本国発表、日本市場では翌2009年4月発表、5月発売と…