【プリウス プロトタイプ 試乗】積極的な意味は見出せない…川上完

試乗記 国産車
【プリウス プロトタイプ 試乗】積極的な意味は見出せない…川上完
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「江戸っ子も三代続けばホンモノ」とはよく言われることだが、『プリウス』もようやく三代目となって、ホンモノになったようだ。メカニズムの面でも、スタイリング・デザインの面でも、より一層の完成度を増している。  

しか〜し、何の理由かは良く分からないのだが、エンジン排気量が1.5リットルから1.8リットルへと拡大され、ボディも大型化された。たしかに、絶対的な性能は向上し、居住性も改善されてはいる。だが、プリウスというクルマはハイブリッド・システムを搭載したエコロジーカーであることを忘れてはならない。  

「先代と比較して、省エネルギーのレベルは上がっており、軽量化も達成しています」と言う理由だけでは、エンジン性能を上げ、室内空間を拡げる理由としてはいささか希薄ではあるまいか。エコロジーカーに大型高級車並みの性能や居住性は全く必要ないと言って良い。  

もしも、プリウスのエンジン性能を引き上げ、居住性を向上させる理由付けのために、『クラウン』や『ハリアー』、『エスティマ』などと言った大型高級車にハイブリッドシステムを導入していたのだとすれば、かなりの方向違いだ。現行のプリウスで何か不足を感じる部分があったのだろうか? 安楽快適で高性能なエコロジーカーなど要らない!  

もともとエコロジーカーと言うものは、あらゆる点で省エネルギーを優先するのだから、メーカーは勿論、ユーザーにも、いろいろな意味で、ある程度の我慢を要求する種類のクルマなのだ。むしろ、絶対的に台数が多く、稼働率も高い軽自動車や商業車にハイブリッド・システムを積極的に採用するのが本当だろう。  

少なくとも、ハイブリッドシステムを持ったモデルでは、流行を追いかけたり、装備の先進性を競ったりすることなく、普遍的なモデルとして、一台のクルマに永く乗れるようにしてほしいもの。それこそが真のエコロジーだ。今回のプリウスのエンジン排気量アップやボディサイズの拡大に積極的な意味は見出せ無かったというのが結論。  

■5つ星評価 
パッケージング:★★★ 
インテリア/居住性:★★★★ 
パワーソース:★★★ 
フットワーク:★★★ 
オススメ度:★★★★      

川上完|モータージャーナリスト 
芸能誌カメラマンを経て、男性誌のクルマリポーターからジャーナリストの道へ。旧いクルマ大好きの変人(?)

《川上完》

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