精密小型モータ市場、2010年は1兆3892億円…富士経済

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富士経済は、音響・映像機器、情報通信機器、家電・住設、自動車など幅広い用途に使用される精密小型モータの世界市場を調査し、その結果を報告書「精密小型モータ市場実態総調査2009」にまとめた。

報告書では、ガバナレスモータ、電子ガバナモータ、コアレスモータ、ステッピングモータ、軸流ファンモータ、ブラシレスモータ、インダクションモータ、シンクロナスモータ、ユニバーサルモータといった精密小型モータ9品目と、軸受(ベアリング)やシャフト、永久磁石などの部品や材料11品目の市場を分析している。
 
調査結果によると、2008年の小型モータの世界市場は、景気悪化の影響を受け、数量ベースで前年比7.1%減の87億6418万個、金額ベースで同7.3%減の1兆7481億円になったと見られる。景気悪化の影響による小型モータ需要の減少は、日本、アジア、欧州、北米の4局全ての地域で見られ、2009年は更なるマイナスが見込まれる。
 
2010年予測では数量ベースが2008年比17.8%減の72億195万個、金額ベースで同20.5%減の1兆3892億円と大幅マイナスを予想している。
 
2008年の日系メーカーによる精密小型モータの市場は数量ベースで同8.9%減の50億5159万個、金額ベースで同9.1%減の1兆743億円になったと見られる。世界市場全体に占める割合は数量ベースが58%、金額ベースが61%。日系メーカーは様々な国に供給しており、世界市場における位置付けは高い。ステッピングモータやブラシレスモータなどの制御系のモータに強く、ハイブリッド型のステッピングモータは100%に近いシェアを持つ。
 
反対にコスト競争力が問われるモータでは、アジアメーカーに対して劣勢で、軸流ファンモータなどでは台湾企業がイニシアチブを握っている。これには日系メーカーが従来のような量的拡大を目的とした事業から、収益確保を前提とした事業へとシフトしつつあることが背景にある。採算性の著しく低い領域は、受注を見送るケースも見られ、需要の選択と集中が進んでいる。また、数量的な面では減少ながら付加価値の高い、付加価値化を図りやすい分野へ特化していくと予測される。
 
日系メーカーの2010年予測では数量ベースで同19.7%減の40億5895万個、金額ベースで同21.4%減の8443億円としている。

《レスポンス編集部》

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