ダイムラー、メルセデスベンツの旧車ビジネス強化へ

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ダイムラーは12日、「メルセデスベンツ・ヤングクラシック」と名づけた新プロジェクトをスタートさせた。1970 - 1990年代の、比較的新しいメルセデスベンツを、中古車として商品化するプロジェクトである。

1970 - 80年代といえば、メルセデスベンツが「最善か無か」を社是としていた時代で、その頃のメルセデス車は過剰ともいえるクオリティを誇っていた。現在から数えると30年落ちとなるような中古車でも、ダンパーやブッシュを交換すれば新車の乗り味が復活する、とも評されている。それだけに、この時代に生産されたメルセデスには、世界中に多くのファンが存在する。

ヤングクラシックプロジェクトでは、ドイツ・シュトッツガルトのメルセデスベンツ博物館内にアンテナショップを開設。1960 - 1994年のメルセデス車を数多く展示し、希望すればレンタルや購入ができるようにした。さらに、専用ホームページを通じて、展示車のデータ、ローンや保険などの情報を広く開示している。

ドイツ運輸省の調べによると、ドイツにおける15 - 30年落ちの中古車市場は、約660万台の規模。そのうち、15.6%に当たる約100万台をメルセデスベンツが占めている。またADAC(ドイツ自動車連盟)の調べでは、比較的新しいクラシックメルセデスを保有する顧客の60%が、21歳から50歳までの層で、ファーストカーとしての利用は、わずか20%しかないという。つまり、クラシックメルセデスは趣味的要素の強い車であり、ダイムラーもそこにビジネスチャンスがあると踏んでいるわけである。

クラシックメルセデスは、とくにドイツや米国で人気が高い。その両国ではメルセデスの旧車の純正パーツを求める顧客も多い。そこで、ダイムラーはドイツと米国に「メルセデスベンツクラシックセンター」を設けて、顧客のニーズに対応しているほどだ。

メルセデスベンツの2008年世界販売台数は、前年比4.6%減の112万5900台にとどまった。だからといって、旧車ビジネス強化というわけでなないだろうが、ダイムラーのヤングクラシックプロジェクト、ファンにとってはうれしい内容に違いない。

《森脇稔》

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