日本ガイシは、米ニューヨーク州電力公社を通じてニューヨーク市都市交通局のバスステーションに、NAS(ナトリウム硫黄)電池システム1MW(メガワット)を納入した。同社では今回の実績を足がかりに、NAS電池を北米に展開する。
交通局は天然ガスを燃料とするバス330台を所有し、年間3100万人が利用している。バスステーション(車庫)でのバスの燃料補充にはコンプレッサーを使用している。
コンプレッサーを稼動させる電力コストを抑制するため、従来は、燃料補充作業を電力料金が安価な夜間に集中して行なっていた。いっぽう、このために割高な夜間勤務の作業員を多数配置していた。また、夜間で補充しきれない燃料は、昼間の電力を使用して補充する必要があった。
電力公社は交通局のバスステーションの運営コスト削減のため、NAS電池システムの導入を決定、日本ガイシが納入した。NAS電池に安価な夜間電力を蓄電し、昼間に放電することで作業を日中に集中、電力料金の抑制とともに夜間の割高な人件費の削減にも成功した。
NAS電池の負荷平準機能を使いバスステーションの運営費用を大幅に削減した最初のケースとなったとしている。