住友電気工業は、パナソニックと、両社グループの栃木県宇都宮市内と大阪府内それぞれの拠点を結ぶJRの「31フィートコンテナ(積載重量13.2t)」による共同ラウンド輸送を昨年12月から開始した。
住友電工グループでは、地球的視野に立った環境保全への取り組みを経営の最重要課題のひとつとして位置づけており、輸送時におけるCO2排出量削減に向け、長距離輸送でのモーダルシフト化、グループ企業でのトラック共同輸送の拡大、車両大型化による積載量アップなどに取り組んでいる。
モーダルシフト化は、2001年度以降順調に拡大してきたが、2006年度をピークに、ここ数年のモーダルシフト率は横ばいだった。こうした状況下、新たなモーダルシフト化の可能性について、500km以上の遠距離の重量物、納入時間の余裕の有無、輸送コストなどの視点から検討した結果、大阪市から栃木県宇都宮市向けの「銅伸線」を候補に選定した。
大阪 - 宇都宮間の銅伸線輸送は月間約600tあり、昨年10月から、このうち約半量を同業種である古河電気工業と住友電工間でJR31フィートコンテナによる共同ラウンド輸送を実施している。残り半量のトレーラー輸送が残っており、住友電工では全量のモーダルシフト化を検討してきた。
一方で、パナソニックも他社との共同輸送を検討しており、今回両社の思惑が一致し、異業種であるパナソニックロジスティックス・宇都宮事業所→大阪センター、住友電工・大阪製作所→住友電工産業電線・宇都宮工場間に31フィートコンテナを利用した共同ラウンド輸送を開始することで合意した。
このモーダルシフトにより、両社で年間200tのCO2排出量削減が見込まれる。
住友電工グループは今後も、さまざまなCO2排出量削減に向けた取り組みを強化する方針だ。