東レ、量産車向け炭素繊維複合材料部品を開発へ

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東レは26日、炭素繊維複合材料の自動車分野における事業拡大を図るべく、欧州にCFRP部品(Carbon Fiber Reinforced Plastics)の現地開発・生産拠点を設置すると発表した。今年12月に、ドイツのCFRP部品メーカーのACE(アドバンスト・コンポジット・エンジニアリング)社に資本参加する。

自動車分野でCFRP部品の採用が先行している欧州市場で現地開発・生産を手掛けることにより、将来飛躍的な成長が期待される自動車用CFRP部品事業の本格拡大を目指す。

ACE社は2001年に設立されたドイツのCFRP部品メーカーで、高級車やトラック等のCFRP部品を開発・生産・販売している。同社は自動車用CFRPの部品設計、成形加工をはじめ、金型治具製作、機械加工などにおいて高い技術力を有しており、欧州の主要自動車メーカー各社から高い評価を得ている。

これまで自動車外板用のCFRP部品は、従来からの製法であるプリプレグ成形で生産されていたが、成形時間が長くコストも高いことから、採用は生産台数がごく少量で市場価格が非常に高いスーパーカーに限られていた。

しかし自動車メーカーでは、昨今の地球環境問題への対応として車体のさらなる軽量化が急務となっており、CFRP部品を本格採用する機運が高まっている。

高級車領域における本格普及に向けてCFRP成形技術の革新が求められる中、年産1万台規模の中量産車種に対応できるRTM(Resin Transfer Molding)成形技術が今後の主流になりつつある。

東レは、今回の資本参加を通じてACE社との技術交流を深め、東レ独自のRTM成形技術とACE社の技術を融合することにより成形技術の更なる革新と開発期間の短縮を図り、CFRP部品の量産車種への本格採用を目指す。

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