バイク便指定の振り込め詐欺、東京都で90件

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警備の厳しくなった金融機関のATMを避け、バイク便を使った振り込め詐欺が多発している。警視庁の調べで東京都だけで90件(08年1 - 10月)発生していることが25日、わかった。

バイク便を使った振り込め詐欺は、実在するバイク便を使ったものと、バイク便を装ったものとの2種類に分かれるという。

「内緒でお金が急に必要になった。理由はあとで話す」。孫を装った犯人が90歳の女性を相手に300万円を詐取した事件では架空のバイク便が使われた。

「お金は俺の会社で使っている××急便××支店の××が取りに行くから渡してくれ」と、犯人は言い含めたが、名乗ったバイク便は架空のもの。しかし、被害者宅に訪問者が現れ、現金を詐取した。

その訪問者が実際にバイクを使ったかどうかは不明だが、振り込め詐欺だから犯人は電話だけで指示するだけ。姿を現さないというわけではない。犯人やその仲間が被害者宅を訪れる大胆な犯行もあるのだ。

また、実在するバイク便を使った例もある。犯人は、被害者の息子を装い「会社の金を使い込んだ。バイク便をやるから書類だと言って渡してくれ」と、切り出した。

「書類だと言って渡せ」とわざわざ指示したのは、被害者宅を訪れたのが、本物のバイク便ライダーだったからだ。このケースでは、犯人はバイク便会社に都内の私書箱センターまで現金を送付させた。

振り込め詐欺は被害者をいかに騙すかを考え、常に手口を変えて迫ってくる。被害者にならないためには、大金を手放す前に一瞬立ち止まって周囲に相談することが大切だ。

《中島みなみ》

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