従来の『A4』のスタンダードモデルはカチリとしているが中庸な4ドアセダンだったが、新型では一変してスポーティなセダンに変身した。
駆動系のレイアウトを変えたことでフロントの荷重配分が改善されてステアリングの応答性が俄然シャープになった。このクイックな反応はFF車と思われないほどだ。
軽くブーストを掛けた1.8リットルの直噴ターボエンジンは低速からトルクがモリモリと湧き上がるが、過剰なところはないので大変使いやすい。またCVTとの相性も良く、アクセル開度とリンクしているので違和感はまったくない。
乗り心地はちょっと固めだが、スポーティなハンドリングを実現するためのセッテイングだ。アバントのラッゲージルームもドイツ的に仕切りをカッチリしている。要領さえ分かれば使いやすい。
3.2リットルはAWDで6速ATとなるがこちらのパフォーマンスはおつりが来るほどだが、AWD+ESPの相乗効果はアウディの安心の象徴でもある。
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
日下部保雄|モータージャーナリスト
学生時代よりモータースポーツに傾倒する。全日本ラリーチャンピオンシップAクラスチャンピオン、全日本ツーリングカー選手権ドライバーランキング10位という実績に加え、海外ではWRCの英国RACラリー連続参戦、入賞、ドイツ・ニュルブルクリンク24時間レース入賞など、豊富な実績。モータージャーナリストとして四半世紀以上のキャリアを持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ会長。