2008年FIAインターナショナルカップ・クロスカントリーバハ(CCB)第6戦バハ・ポルタレグレ(ポルトガル)は、2日に最終日の3日目を迎え、新型競技車「レーシングランサー」を駆るチーム・レプソル三菱ラリーアートのステファン・ペテランセル/ジャン-ポール・コトレ組が総合優勝を獲得した。
ペテランセル/コトレ組は、初日の第1レグで総合7位とやや出遅れたものの、本格的な競技の開始となる第2レグから首位に浮上。最終日の第3レグでも優位を保ったままゴールし、レーシングランサーのデビュー戦を勝利で飾った。
SS(競技区間)総距離515.16kmのラリーでレーシングランサーは2位以下に4分3秒の差をつけるパフォーマンスと高い信頼性を発揮した。
今回のルートの一部は9月のパックスラリーでも使われ、ペテランセルはそのラリーでガソリンエンジンの「パジェロエボリューション」で勝利している。ペテランセルは新旧両車を比較して「ふたつのことに驚かされた」と、レーシングランサーのパフォーマンスを高く評価した。
「ひとつは全ての面で大幅に進化した3.0リットルV6ディーゼルエンジン。とりわけ素晴らしかったのは低速コーナーでの力強さ。ディーゼルターボエンジンの強大なトルクによる加速感を全身で実感することができた。とりわけコーナーからストレートに続くようなセクションではアドバンテージになったと思う」
「もう一つはシャシーだ。バハ・ポルトガルでは特別なセッティングが要求される。我々はモロッコテストの結果からセッティングを決めた。そのセッティングがフィットして、サスペンションは路面の凹凸を見事に吸収。ハンドリングもフロントがコースを正確にトレースし、心地よい驚きを感じた」
三菱チームは大会終了後もポルトガルにとどまり、若干のテスト走行を実施。その後スペインへ移動し、高地コンディションでエンジン制御マップに補正を加えるテストを行なうという。
今回の優勝車はテストカーとして開発に使用されるもので、2009年ダカールラリーには現在、製作が進められている4台の本番用車両を投入する。シェイクダウンテストは12月15日にMMSP近郊のル・クルーゾー(フランス)を予定。