【池原照雄の単眼複眼】挑戦するNo.1---ワゴンR はJC08で軽最高燃費

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6モデルが15年度基準クリア

スズキが軽自動車『ワゴンR』シリーズを5年ぶりに全面改良した。登録車を含む国内の自動車市場では2007年度まで5年ベストセラーを続けるだけに、PRのコピーは「挑戦するNo.1」。デザインや居住性といった改良だけでなく、軽の基本である環境・経済性能についても王者らしい挑戦の跡がうかがえる。

ニュースリリースでは特に触れておらず、発表会見でも言及はなかった。だが、新型ワゴンRシリーズのうち6モデルは「JC08モード」で測定する2015年度燃費基準をクリアしている。
軽での同基準適合は、今年5月に発売された富士重工業の特別仕様車スバル『ステラL Limited』など同社の2モデルが第1号なので、アピールしづらかったという事情もあるのだろう。

ただ、15年度基準をクリアしたワゴンRの最高燃費(ノンターボのCVT搭載車)は、JC08測定で1リットル当たり22.2kmという高い数字になっており、ステラL Limitedの同21.0kmを上回る。

◆小さいクルマほど厳しい

ダイハツも15年度基準をクリアできそうなモデルが相当あるが、まだJC08燃費は測定していないようで、カタログには記入されていない。従って、現時点ではワゴンRの22.2kmが、軽のJC08測定値でトップとなる。

乗用車の平均で23.5%(04年度実績比)の改善を求める15年度燃費基準は、相当ハードルが高い。とくに、エンジン排気量が小さいクルマは、改善余地が限られてくるので、自動車メーカー各社の開発担当役員は「一番難しいところ」と口を揃える。

◆燃費には「とにかく軽量化」

排気量が660ccの軽も「難しい」ジャンルに位置する。このため、CVTの搭載や可変バルブタイミング機構といったエンジンへの高級技術の採用などで改善している。さらに、スズキは環境・経済性能の向上には「とにかく軽量化」(鈴木修会長)とのこだわりも強い。

各部品の軽量化では、コンマ以下のグラム単位まで鈴木会長が眼を光らせる。新型ワゴンRも旧モデルより「約10kg軽くできた」(鈴木会長)という。コストアップ要因にはなるものの、車体では高張力鋼板の採用を増やしている。

今後、軽ではCVTの搭載モデルが主体となっていくが、一般的にATに比べれば重い。その分、スズキの軽量化への取り組みは一段と強化されるのだろう。

《池原照雄》

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