【清水和夫のサステナブル・リポート】ダイハツ 新パワートレーン その2…開発人対談 相坂忠史 上級執行役員 軽開発センター長

自動車 社会 社会

燃費・環境・安全、そして普遍性
小さなボディでも、背負ってきたものは大きい


清水:ガソリン価格の高騰や排ガス規制の強化によって、北米市場で小さいクルマが注目されるひとつのキッカケになるなど、日本の自動車産業が強くなったのは、過去に何度か経験したオイルショックといわれていますよね。しかし、再びガソリン価格が下がれば、大きさや、パワー、豪華さを求める。過去20年はその繰り返しだったように思います。

そんな中、日本だけの「軽自動車規格」は、ある意味“足かせ”だけど、自らを利しているというか…つねに環境に優しいクルマであり続けている。今後の環境問題に際しても「小さいクルマは燃費がよくて当たり前」のように思われています。それを受けて、たとえばエンジンでは過給器付きや直噴など多様性が出てきました。

今後スモールカーは、どういう方向に向かって行くのか? 技術的なトピックに注目が集まってきています。そこで、スモールカーに特化したメーカーとして40年以上の歴史を持つダイハツの考えをお聞きしたいのですが、やはり燃費は最重要課題でしょうか?

相坂:もちろん最重要課題です。

清水:環境問題も大きなテーマになった京都議定書、あるいは洞爺湖サミットを抜きにしてもですか?

相坂:京都議定書に強く刺激を受けたことは確かです。しかし、我々ダイハツの軽自動車の考え方は「誰もが無理をせずに所有できるクルマ」が出発点。経済性でいえば、燃費がいいことはもっとも大事。また、安全性や環境性能についてもつねに高い水準を目指しています。車体は小さくても背負ってきたものは大きいですね。

清水:軽自動車というと、“大は小を兼ねる”というクルマの不文律のなかで「軽でも走る」とか「軽でも安全」とか、「でも」という言葉を使って語られる場合が多い。しかし、たとえばアメリカで2人乗りのスマートが人気を博すなど、最近はスモールクラスでパラダイムを動かすようなことが、たびたび起こり始めていると思います。

相坂:たしかにそうですね。

清水:こういったパラダイム変化の中で、ダイハツでは、これからのスモールカーの姿をどのように考えていますか?

相坂:今までは、軽自動車制度があるがゆえ我々は国内のドメインで仕事をしてきました。いっぽう、海外、とくに欧州で仕事をしているメーカーは、そこでのCO2規制などに技術レベルを合わせてきます。したがって、そこに目を向けず、安穏として軽自動車の領域だけで仕事をしていれば差は開いていくのみです。今のままでは危ないな、という危機感を持っています。

清水:それは国内の軽自動車ということですね。

相坂:そうです。「軽だから」という言い訳を抜きにして、『小さいから燃費がよくて当然』という厳しい視点でお客様は見ていますので、そういう面でも燃費への要求レベルは相当に上がっているのは事実です。
《清水和夫》

編集部おすすめのニュース

特集