産業技術総合研究所、太陽光発電研究センター・化合物薄膜チームと石塚尚吾研究員は、帝人の協力を得て、非シリコン系材料であるCIGS薄膜を用いたフレキシブル太陽電池のエネルギー変換効率を飛躍的に高める技術を開発した。
さらに、この技術によりセラミックス、金属箔、ポリマーなど様々なフレキシブル基板を用いた高性能な太陽電池の作製に成功した。
銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)からなる半導体材料CIGSを用いた太陽電池は、光電変換層の厚さを数μメートルと薄くできる。この利点を活かし、曲面への設置や持ち運びが可能な軽量でフレキシブルな太陽電池への応用が期待されている。
これまでフレキシブルCIGS太陽電池の高性能化は困難だったが、今回新しいアルカリ添加制御技術の開発、およびポリマー基板の新しいハンドリング技術を開発、フレキシブルCIGS太陽電池のエネルギー変換効率を大幅に向上させた。
この研究成果は、7月28 - 29日に日本科学未来館で開催される第4回産業技術総合研究所太陽光発電研究センター成果報告会、および9月1 - 5日にスペインのバレンシアで開催される第23回欧州太陽光発電国際会議で発表される。