【池原照雄の単眼複眼】「電池革命」に乗り出すトヨタ

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◆「オープンラボ」の電池研究部が発足

トヨタ自動車が24日付で「電池研究部」を新設した。化石燃料使用への制約が強まる20年、30年先をにらみ「既存電池の性能の限界を超える電池」(瀧本正民副社長)開発に挑戦していく。

電池研究部は静岡県の東富士研究所にラボを置き、50人規模の研究員で発足した。2年後には陣容を倍増させる計画だ。オープンラボ形式をとり、外部の研究機関や大学などと連携しながら研究を進める。

今月中旬に東京で開いた同社の「環境フォーラム」の席上、渡辺捷昭社長は同社の電池にまつわるエピソードを紹介した。トヨタグループの創始者である豊田佐吉翁が、超高性能蓄電池(2次バッテリー)の開発に懸賞金付き公募をしたというものだ。

トヨタの母体となった豊田自動織機が設立される1年前の1925年のこと。賞金は豊田自動織機設立時の資本金と同じ100万円。求めたスペックは、最高出力100馬力、36時間連続稼動、重量225kg、容積280リットル—というものだった。


◆飛行機にも使える「佐吉電池」

瀧本副社長によると「飛行機を飛ばすこともできる」という。現在でもとてつもない性能であり、いまだに「佐吉電池」は夢のバッテリーだ。それから80年余りを経て、トヨタはこの夢に挑むことになった。

持続力は「佐吉電池」には届かないものの、出力密度は同等ないしそれ以上となる「全固体電池」や「金属空気電池」などを開発ターゲットに掲げている。

エネルギー需給の中長期展望に関する瀧本副社長の持論は、「(自動車燃料としての)石油は2030年ごろに危なくなる」というもの。このため、佐吉翁の公募から1世紀が経過する2025年前後には何とか革新的な新バッテリーをモノにしたい考えだ。


◆ハイブリッドに次ぐイニシアチブを

自動車が誕生した当初の動力源は、蒸気機関(外燃機関)、モーター(電気自動車)、エンジン(内燃機関)が並列していた。そのなかから、エネルギー密度が極めて高くて取り扱いも容易な石油の開発が進んだことで、短期に内燃機関に収れんしていった。

今世紀にはその石油も役目を終える。仮に潤沢に供給されても、環境の制約から使い続けることは不可能であり、内燃機関から電気への主役交代となる。双方の技術を取り入れたハイブリッド車(HV)は、その橋渡し役でもある。

飛躍的な性能の実現を目指す電池開発は、HVで圧倒的なアドバンテージを確保したトヨタが、次のパワートレイン革命でのイニシアチブをも狙うものとなる。
《池原照雄》

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