新日本石油は、中国石油天然ガス集団公司(CNPC)との間で、精製子会社である新日本石油精製の大阪製油所で合弁製油所化に向けて、詳細な検討に入ることで合意に達したと発表した。
新日石とCNPCは、2004年7月に「石油製品受託精製契約」をCNPC傘下のチャイナオイルとの間で締結、2007年4月には「長期協力に関する覚書」を締結するなど、これまで良好な関係を構築してきた。合弁会社は新日石が51%、CNPCが49%出資し、大阪製油所が原油を精製して、これをアジア・大洋州で販売する。
国内の石油需要が低迷する中で、新日石グループの製油所運営能力と、CNPCグループの製品マーケティング能力を相互に有効活用することで、販路を拡大する。新日石の精製子会社である新日精が所有する大阪製油所の生産する製品の品質の高さ、大容量の製品タンクなどを最大限に活かし、同製油所を国内市場向けの製油所からアジア市場に向けた輸出型製油所への転換を目指す。
こうした既存製油所の輸出製油所化は、過剰設備対策として有効で、国内石油産業の競争力強化が図れるほか、拡大するアジア・太平洋市場のエネルギー安定供給にも貢献する。一方、両社は石油製品の受託精製に関して、2008年度の契約数量を前年度の日量5万バレルから7万バレルに増量する契約も締結した。
今後両社は、競争力強化と事業の拡大・発展に向けて、引き続き、強固な協力関係の維持・発展に努めるとしている。