【池原照雄の単眼複眼】トヨタが減産と値上げ…北米で収益重視に舵切る

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◆インディアナ工場で減産開始

米国の新車市場が低迷するなか、トヨタ自動車が収益重視策を打ち出した。今月からインディアナ工場の一部車種で減産を始めた一方、2日には米国トヨタ自動車販売が「年央価格改定」を発表、ほぼ全車種での値上げに踏み切る。ドル安による収益悪化も進んでおり、採算の建て直しに舵を切る。

このほど減産に入ったのは、インディアナ工場のフルサイズピックアップ『タンドラ』とSUVの『セコイア』。組み立て工程のラインタクトを数秒遅くした。インディアナでは6月初めからミニバン『シエナ』のラインタクトも落とす計画だ。

また、同じくタンドラを生産するテキサス工場は、今月下旬あたりから減産に入る予定。減産幅はインディアナより大きくなるという。いずれも従業員の一時帰休などは行わない。


◆好調のプリウスは1.8%の値上げ

トヨタの米国販売は昨年12月から先月まで5か月連続で、前年同月実績比(営業日数調整後)マイナスとなっている。各月とも市場全体の落ち幅よりは小さく、乗用車系は好調に推移している。ただ、ピックアップなどライトトラック系の不振が際立っており、生産調整が必要と判断した。

一方、2日に発表した小売価格の値上げは今月中旬から月末にかけて実施する。トヨタブランドではセコイアや『カローラ』(2009年モデル)、ピックアップ『タコマ』など4車種を除いて値上げする。

大半が1%前後の値上げだが、販売が好調なコンパクトカー『ヤリスセダン』は1.6%(200ドル)、ハイブリッドの『プリウス』は1.8%(400ドル)と改定幅が大きめだ。ガソリン価格の高騰を背景に、プリウスは4月の販売が前年同月比54%増の約2万2000台と同月の最高を記録している。


◆危うくなった年初計画への到達

逆に売れ行きの悪いタンドラは0.3%の値上げに抑える。また、レクサスブランドについては新投入されたスポーツカーの『IS F』を除いて全車種で改定し、「IS」シリーズでは0.9%(300ドル)の値上げとなる。

米国新車市場は、サブプライムローン問題による景気の減速を反映して、月を追うごとに調整色を強めている。4月は営業日数調整後で14%のマイナスとなった。

トヨタは今年の米国販売を、前年比1%増の264万台と計画している。しかし、ここまでの推移では、年後半によほど市場が好転しない限り、達成は厳しくなってきた。相次いで打ち出した減産と値上げは、渡辺捷昭社長が日ごろから繰り返す「質の向上なくして成長なし」の経営指針に沿ったものでもあり、まさに量より質(=収益)の追求となる。
《池原照雄》

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