カロッツェリア・ベルトーネの破産手続き開始

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イタリアを代表する名門カロッツェリア、ベルトーネが、事実上の倒産状態に陥った。伊トリノの裁判所は14日午前、同社の破産手続き開始を宣告した。

経済推進大臣が破産の実態調査を行なう委員を任命。2月中に正式に全容が明らかになる見込みだ。すでに解雇された従業員1300人の失業給付金を、今後どれだけの期間延長するかも追って決定される。

ベルトーネは1912年、ジョヴァンニ・ベルトーネによって設立された。当初はランチアのボディ製作を主な業務としていた。戦後は息子ヌッチオのもと、アルファロメオ、ランチア、ランボルギーニ、などのスタイリングと、フィアット『X1/9』をはじめとするニッチカーの受託生産で業績と知名度を伸ばした。

また、F. スカリオーネ、G. ジウジアーロ、M. ガンディーニなど、自動車史に残るカーデザイナーを輩出した。

1997年ヌッチオが死去した後は、未亡人のリッリが会長に就任。しかしその頃からボルボ、オペル、BMWの受託生産が次々と減少したり、打ち切られていった。そのため2005年に従業員の大量解雇を断行した。

しかし労働争議が激しさを増したため、2007年5月に失業給付金を年末まで延長支給することで当座の決着を図った。同時に、ヌッチオの次女バルバラを社長に抜擢して出直しを図った。

12月末には、同じトリノの資本家が救済を表明。事態は一旦沈静化すると思われたが、今年1月8日リッリ会長が経営方針の違いから娘のバルバラ社長を突如解任したことで、再建計画はふたたびとん挫した。

筆者の知るイタリア人自動車関係者は今回のベルトーネ問題に関し、「彼ら(ベルトーネ家)を尊重し、なるべく話題にしないようにしていたが、もはやどうすることもできない」とコメントした。目下気になるのは、3月のジュネーブモーターショーだ。ベルトーネのスタンドは毎年、イタルデザイン-ジウジアーロ、ピニンファリーナと並ぶショーの華だったからである。
《大矢アキオ》

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