東京モーターショーのお楽しみのひとつに、ダンスや音楽を使った派手なパフォーマンスがある。ダンサー、振付師、演出家、ミュージシャン、作曲家といったクリエイターにとって、会期が2週間以上にわたる東京モーターショーは、結構大きな発表の場。それだけに思いがけず気合いの入った作品や演技が登場することも。
今回の第40回東京モーターショー2007における3大ダンスパフォーマンスと目されるのは、トヨタ、ダイハツ、マツダ。トヨタブースで圧巻なのは、若年ユーザーのニーズを探索するためのコンセプトカー『Hi-CT』コーナーで行われるダンス。音楽、振り付けともいかにもクラブサウンドというイメージのものだ。
「Hi-CT」はクルマの格好よさについての既成概念をキャンセルし、不格好ながら意外な敏捷性の高さを持つゴリラをモチーフとするデザインが与えられた、若年ユーザーの価値観に訴えるクルマ。だが、従来のクルマのデザインセオリーとあまりに方向性が異なるため、ともすれば意味不明なクルマととらえられてしまう可能性もある。
クラブ風ダンスのパフォーマンスは、その「Hi-CT」に込められたメッセージを一気に明確化するだけのパワーを感じさせるものだ。モーターショーにおけるパフォーマンスの多くがイメージアップツールとして使われているのに対し、「Hi-CT」のダンスはユーザーとのコミュニケーションツール的色彩が強く、非常に効果的だ。