大矢アキオ『飲みすぎ注意』…謎の列車『TDV』を知っているか?

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大矢アキオ『飲みすぎ注意』…謎の列車『TDV』を知っているか?
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鹿が出て臨時停車

かくして、ディーゼルカーは約30名の参加者を乗せて走り始めた。発車数分後から、車内ではウェルカム・ワインが注がれ、お菓子の配給が始まった。いきなりお座敷列車ムードである。

1両ゆえ、参加者全員の顔が見渡せる。ただし、スタッフ挨拶などという堅苦しいものは無し、である。また「お兄サン、おかわり!」と盛り上がっているおばさんグループがいるいっぽうで、黙って2人でワインを楽しんでいるカップルもいて、お互い無闇に干渉しない。団体旅行と聞いて身構えていたボクは、ふたたびホッとした。

やがて車両は廃線区間に入っていった。クルマの普及で十数年前に定期運行がなくなり、いまや臨時列車しか通らなくなってしまった区間である。

運転席を訪問すると、運転士と機関助手のふたりがいた。アルベルトさんという運転士は走りながら、「このディーゼルカーは、6気筒1万1443ccエンジン×2基で走ってんだよ」と、排気量まで“そら”で教えてくれた。

しばらく走るとアルベルトさんは、駅でもないのに停車してしまった。なぜかといえば、沿線に鹿の親子が現れたのを発見したスタッフに頼まれたのだ。どこまでも、ゆるい。

このツアーを企画したのは民間の会社だが、巨大なイタリア国鉄を相手に、よくも実現したものである。スタッフは「いや、国鉄は思いのほか協力的でしたよ。時間はえらくかかりましたけどね」と、笑う。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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