【解説】株式市場、自動車株にサブプライムローンの重し

自動車 ビジネス 企業動向

自動車メーカーの業績に影響

このように、サブプライムローンは、貸し手にとっても借り手にとっても無謀なローンであるにも関わらず、双方が将来の住宅価格の値上がりを担保に拡大してきた。アメリカの好景気は、こうした不安定な住宅ブームに支えられていた側面があったわけだ。

住宅価格の値上がりを前提とした好景気、といえば日本が経験したバブルを思い起こさせる。米景気も今後、同様の過程をなぞることになるのか。日本のバブル景気が崩壊して20年近くが経過したいま、再び米国のバブル崩壊が世界的な金融市場の火種となってきたといわざるを得ない。

当初は“対岸の火事”と思えたサブプライムローン問題は、急激な円高をもたらし日本に飛び火した。欧米に比べて問題の直接的な影響が小さい日本の円が買われる動きが加速したためで、堅調な企業業績への打撃が心配されることになった。

自動車メーカーなど輸出企業の多くは今期の想定円レートを1ドル=115円程度に設定しており、計算上、これ以上の水準に円高が進行すると為替差損が発生する。8月17日、円相場は一時111円台まで急伸。想定レートを超えた円高で、企業の業績悪化を見越した投資家が売りを浴びせる負の連鎖が現実のものとなった。

また自動車各社にとっては、サブプライム問題から個人消費が減速し、自動車販売が落ち込む可能性も否定できない。

《山口邦夫》

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