日産自動車は、従来の約50%の貴金属の使用量で、クリーンな排出ガスを実現するガソリン車用の新触媒を開発したと発表した。2008年度に発売する新型車から採用し、順次拡大を図る。
自動車の触媒には、排出ガスをクリーンにするために貴金属の白金、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)を使用している。排出ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)及びHC(炭化窒素)は、これら貴金属の表面で化学反応し、それぞれN2(窒素)、H2O(水)などに分解されることで、排出ガスをクリーン化している。
貴金属は排出ガスの高熱にさらされると貴金属同士が凝集し、表面積が小さくなり、排出ガスをクリーンにする作用が低下する。このため従来の触媒では、排出ガスをクリーンにする性能を維持するために、予め貴金属の使用量を増やしておく必要があった。
日産は、触媒中の構造をナノレベルで見直し、貴金属をしきり材で細かく分離することにより、貴金属同士が凝集することを防ぐ世界初の技術を開発し、今回の新触媒に採用した。
これによって、貴金属の表面積の減少を防ぎ、従来の約50%の貴金属の使用量で、従来と同等のクリーンな排気を実現することを可能にした。
この技術の開発は、ルノーとのアライアンスの一環として取り組んだもの。