【池原照雄の単眼複眼】日産、クリーンディーゼルで日本市場一番乗り?

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【池原照雄の単眼複眼】日産、クリーンディーゼルで日本市場一番乗り?
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◆一気に厳しくなる日米欧の新規制でクリーンに

環境対応車のバリエーションとして、日本市場にもディーゼル乗用車が復活する日が近づいている。2009年以降は、同年に導入される「ポスト新長期規制」に適合したクリーンなディーゼルエンジン搭載車がお目見えすることになろう。

自動車各社はハードルの高いこの規制適合にしのぎを削っており、先陣を競う。「意外」といっては失礼かもしれないが、国内投入の第1号はハイブリッド車開発の遅れなどで環境技術の「シンボル」不在に悩む日産自動車となるかもしれない。

08年から10年にかけて世界のディーゼル排ガス規制は、一気に厳しくなる。欧州では08年に「ユーロ5」が導入され、09年からは日本の「ポスト新長期」と米国の「Tier II Bin5」(適用は10年モデルから)も施行されるからだ。その分、ディーゼルは名実共に「クリーン」を冠することができるようになる。


◆日産のみが「国内投入」を明示

3地域の規制は、排出物質によって多少規制値が異なるが、ほぼ同レベル。これらをひと括りでクリアし、日米欧の市場に投入するのが各社の戦略となる。新しい規制値の壁は厚い。例えば日本の場合、現行の「新長期規制」(05年導入)よりもNOx(窒素酸化物)は43%、PM(粒子状物質)は62%もの削減が課せられている。

こうした規制をクリアする新世代クリーンディーゼルで国内市場参入を公式的に表明しているのは、今のところ日産だけだ。「10年度まで」に北米、欧州、中国とともに投入する計画である。

このうち北米向けについてはルノーとの共同開発による新エンジンを搭載した『マキシマ』を発売するとし、車種まで踏み込んでいる。ただし、北米向けはホンダが独自の触媒技術によるディーゼルを09年に投入する計画。ここでは一番乗りは難しそうだ。


◆「他社との差別化を図りたい」とゴーン社長

むしろ、日産が早期の投入を狙うのは日本ではないか。5月に『デュアリス』(欧州では『キャシュカイ』)を発表した際、技術担当首脳に同車へのディーゼル搭載について聞くと「日本の規制値に合うよう、一生懸命やっているところ」とのことだった。

キャシュカイにはルノーと共同で新開発した2.0リットルのディーゼルが搭載されている。現行の「ユーロ4」適合車だが、このエンジンのブラッシュアップに取り組んでいるということだろう。

カルロス・ゴーン社長は20日の株主総会で、ハイブリッドなど環境技術の遅れを質す株主に対し、「(環境技術の)将来には色々なチョイスがある。われわれは他社とは差別化を図りたい」と答えた。新世代クリーンディーゼルでの「1番乗り」は、国内での環境技術に対する日産のイメージを一新する活力剤ともなる。
《池原照雄》

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