メルセデス・ベンツの新型『Cクラス』のエクステリアを見ると、印象の異なる2種類のフロントマスクがあることに気付くはずだ。ひとつは従来のCクラスのイメージを踏襲し、Sクラスのフロントマスクに似た「エレガンス」、そしてもうひとつは大型のエンブレムをグリル中央に配置した「アバンギャルド」だ。
メルセデス・カーグループ商品企画部 鈴木栄作さんは「新型Cクラスは幅広いお客様に魅力を感じていただくために、異なる個性を持った2種類のエクステリアを用意しました。アバンギャルドは、国産プレミアムセダンからの乗換え層や、女性ユーザーをターゲットとし、主に他ブランドからの乗り換えを狙っています」
「そしてエレガンスは、今までメルセデスを所有されている方や、年配の方をターゲットにしています。先代のCクラスも販売的には成功したクルマでしたが、購入者の平均年齢はすでに50歳代を超えており、今後のことも考えると顧客層の若返りを図るためには、アバンギャルドのようなモデルが必要でした」と話す。
確かにアバンギャルドのフロントマスクは、メルセデスのスポーツモデルAMGを思わせるアグレッシブなデザインに仕上げられており、30〜40歳代の比較的若い年代の人なら迷わずアバンギャルドを選ぶだろう。アバンギャルドは内装もスポーティに仕上げられている。
対するエレガンスは落ち着いたデザインに仕上げられており、このフロントマスクなら50歳代から60歳代の人が乗ってもよく似合う。
この2タイプの外観上の違いは、グリルとバンパー、ホイール、ボンネット上のマスコットエンブレムの有無ぐらいなのだが、うまく差別化が図られている点も見事だ。