【池原照雄の単眼複眼】スバルの復活を託す「新しい走り」

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【池原照雄の単眼複眼】スバルの復活を託す「新しい走り」
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◆「顧客から遠ざかった」と反省

富士重工業(スバル)が『レガシィ』と並ぶ同社のワールドカー、スバル『インプレッサ』を全面改良して発売した。徹底した「顧客志向」を掲げて昨年6月に就任した森郁夫社長が経営トップとして初めて世に問う新モデルだ。

日本メーカーの多くが最高の業績をあげるなか、同社は今期も27%の営業減益予想と出遅れ感が否めない。「これで流れを変えたい」(森社長)と反転攻勢を託すインプレッサが「スバル復活」の鍵を握る。

「(開発陣に)走り、走りと言うのは、今は止めろと言っている」。昨年の就任後、『レスポンス』のインタビューに応じた森社長は、苦笑しながらこう語っていた。水平対向エンジンとAWDの組み合わせという独自の資産をもつが故の技術偏重により、「われわれがお客様から遠ざかって行った」という反省だ。


◆キーワードは「快適・信頼」と「地球環境」

そこから、「顧客第一」を基軸に置く森イズムが生まれた。もちろん、スバルのアイデンティティである「走り」を全否定することではない。その間合いをどう表現し、社内外に発信するか。もどかしい時期が続いたようだが、今年2月に発表した新中期計画(07−10年度)で、苦心作のフレーズが出てきた。

今後の商品開発の方向性を示した「快適・信頼の新しい走りと地球環境の融合」というものだ。環境技術の進化なしに車メーカーは生き残れない。環境技術を洗練させながら「スバルらしさを失わない」(森社長)という思いが込められている。快適は「気持ちよい走り」であり、信頼は乗っていて「安心だと感じられる」フィーリングだ。


◆自然に「逆らう走り」は捨てた

5日の発表会見で森社長は「どちらかと言うと、これまでの走りは自然に逆らうような走りだったかもしれない。それを自然と共生できるような走りにした」と述べた。技術開発担当の土屋孝夫副社長に「自然に逆らう走り」を解説してもらうと、例えば「走行安定性を重視する余り、後席の乗り心地を犠牲にしたゴツゴツしたサスペンション」といった具合だという。

新インプレッサは、荷室スペースを広げる狙いからもリヤサスペンションをダブルウィッシュボーンという方式に変えている。上級セダンなどにも採用される方式であり、旧モデルに比べ悪路走行時の振動を大きく改善している。

こうした「新しい走り」が、世界の顧客にどう評価されるかは未知数であるものの、販売を左右するデザインは、斜め後方から見たフォルムが綺麗だ。日本人社員のデザインだというが、筆者のような素人が素直に「美しい」と感じることができるのも、一般的な顧客に向き合ってニーズを汲み上げ始めた成果かもしれない。
《池原照雄》

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