新型レクサス『LS600h/LS600hL』のハイブリッドシステムは、モーターと発電機の両方を持つ2モーター式。「LHD」(Lexus Hibrid Drive)と名付けられているが、2モーター+動力分割機構、ニッケル水素電池+インバーターによる高電圧化(650V)などの構成技術は、トヨタブランドの「THS II」と基本的に同じである。
RWD(後輪駆動)系モデルの“弟分”となるレクサス『GS450h』と同様、エンジン、ハイブリッドユニットとも縦置きというパッケージに合わせ、エンジンの出力軸、モーター、動力分割機構、発電機を同軸上に配することで、通常の縦置きATとほぼ同じ寸法に収めている。
モーターもレクサスGS450hと同様、リダクションギア(減速歯車)を持つ高出力型モーターだが、性能はさらに増強され、最高出力165kW(224ps)、最大トルク300Nm(30.6kgm)。290kW(394ps)/520Nm(53.0kgm)を発生する5リットルV8エンジンにバッテリー出力を加味したシステムトータルの最高出力は327kW(445ps)に達する。この数値はトヨタがライバルのひとつと考える、6リットルV12のBMW『760Li』と同じだ。
「ハイブリッドシステムのハードウェア自体は、従来の技術の延長上にあるもので、大きな問題もなく開発することができました。力を入れたのはむしろ、(出力制御やエネルギーマネジメントを行う)ソフトウェアの部分」とハイブリッドシステムの開発を手がけた田島陽一氏は語る。
「ドライバーが要求するトルクをどれだけ的確に、スムーズに出せるよう、徹底的に煮詰めました。LSハイブリッドはパワーが大きいため、チューニングは簡単ではありませんでしたが、高級車らしく洗練された運転感覚という“レクサスマスト”を充分達成できたと思います」