日産自動車は、福島県いわき市にあるエンジン工場のいわき工場で、2005年1月から建設を進めてきた第2エンジン工場が完成し、13日完成式典を実施した。
今回新設した第2エンジン工場は、既存の鋳造工場に隣接した建屋面積約1万4700平方メートルの工場で、2005年1月から約100億円を投じ建設を開始し、同年12月に建屋が完成した。
今年7月には、新たなエンジン用部品の加工用ラインの敷設が完了し、稼働を開始している。新設の加工ラインは、作業効率や品質向上を図るとともに、多品種の生産にもフレキシブルに対応できる日産・インテグレーテッド・マニュファクチャリング・システムを採用した最新鋭のラインとなっている。
今回の第2エンジン工場の完成で、いわき工場全体の年間生産能力は、操業開始時の約39万6000基から約56万基に引き上げられ、よりタイムリーな対応が可能となる。
いわき工場全体の土地面積は約20万1500平方メートル、建屋面積8万1800平方メートル、従業員数約600人と、同社のユニット専用工場である横浜工場と並ぶ、国内主力エンジン工場と位置づけられる。
今年8月に発表した新世代V型6気筒「VQ-HRエンジン」のシリンダーブロックの加工は、第二エンジン工場で行っている。VQ-HRエンジンは、10月から韓国を皮切りにグローバルに販売する新型インフィニティ『G35』への搭載を開始し、11月には国内市場に投入する新型『スカイライン』にも搭載される。
いわき工場は、1992年に新たに開発されたV型6気筒「VQエンジン」生産専用の工場として建設された。同工場で生産するVQエンジンは、1994年5月に発売された北米向け『マキシマ』より搭載が開始された。
排気量2.0リットルから3.5リットルまでの幅広いバリエーションを持ち、現在は、『フーガ』、『フェアレディZ』、『エルグランド』、『ティアナ』、『ムラーノ』、『スカイライン』(米国名インフィニティG35)など、11車種に搭載されている同社の主力エンジンだ。