『スイフト』に乗ったときにも操縦安定性能の高さに驚かされたが、『SX4』はさらにレベルアップしている。見た目が全高の高いクロスオーバー風だったので、走りは期待していなかったのだが、いざ走らせてみると、まるで欧州車のようなリニアリティの高いハンドリングを見せてくれた。
全高が高い割にはロールは抑えられ、足まわりもシッカリとした印象が強い。それでいながら乗り心地も意外なほど快適。この走りは国産コンパクトカーでも随一といえるだろう。
エンジンは1.5リッターと2リッターがあるが、可変バルブタイミング機構の付いた1.5リッターのほうがお買い得。排気量の違いの割りに、パワーにはそれほどの差はない。
3ナンバーになったり、立体駐車場に入らない全高になったりと、あまり日本での販売は視野に入れたクルマ作りは行なわれていないようだが、それが幸いして欧州基準のレベルの高い走りを手に入れているのだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌に勤務。その後Web編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。