開発のキーワードは「まったり」。“クルマ型ミュージックプレーヤー”を謳うトヨタの野心作(?)。名古屋大学の工学部あたりを出た秀才エンジニアが、トヨタの役員を前に、「まったりとは何か」についてプレゼンしたのかと思うと、感慨深い。
レバー操作でシート全体が約8cm沈み込む“マッタリモード機能付きフロントシート”が売り。背もたれを完全に倒せば、床の上に直接寝ころんだような感じになる。
だが、トリセツでも、走行中の前席マッタリモード使用は厳禁。もうひとつの自慢であるイルミネーションも、11個全部が光るのは停車時だけ。ということは、もっぱらアイドリングでいろいろ楽しむクルマである。アイドリング奨励車。
かたやプリウスではアイドリングストップに励む。トヨタのフトコロの深さを感じさせる一台。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★☆☆☆☆
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。