何の変哲もないクルマというのが『ブルーバードシルフィ』に対する印象だ。外観デザインはごく普通のものだし、実際に走らせた印象もこれといって尖ったところのないごくごく平凡なものだ。ただ、ファミリーセダンとしてはこうした普通のクルマであることがいいことなのかも知れない。
試乗したのは、2リッターエンジンの搭載車。98kwの実力は数値的に平凡なもので、とくに元気よく走るクルマではないのと同時に、これといって不満を感じるところもない。低速域からじゅうぶんなトルクを発生することや、滑らかな変速を実現するエクストロニックCVTと組み合わされていることが、不満のない走りにつながっているのだと思う。
乗り心地は、意外なくらいにしっかりした印象。電動パワステの操舵フィールも違和感のないものに仕上がっている。特筆モノのリヤ席の広さは大きな魅力だが、全体に特徴に欠けるのはやはり難点か。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
松下 宏| 自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。