日本市場に久々に投入された新型ディーゼル乗用車、メルセデスベンツ『E320CDI』。中間加速では排気量3.5リットルモデルをしのぐという高い動力性能、メンテナンスフリー化された最新の排ガス浄化技術など、さまざまなトピックを持っているが、ユーザーの最大の関心事は、何と言っても燃費だろう。
ダイムラークライスラー日本は発売前、イギリス仕様のE320CDIを日本で登録してテストやデモンストレーションを行っていた。そのプログラムのひとつに、マスメディアに8台のE320CDIを貸し出し、福岡−京都−富士スピードウェイのおよそ1100kmを無給油で走破するというものがあった。
その長距離走行デモにおける燃費は、8チーム平均で15.1km/リットルであったという。トップは省燃費を意識したドライブを行ったチームで15.9km/リットル、もっとも悪かったのは燃費を気にせず、サービスエリアにも頻繁に停止したチームだったが、それでも14.5km/リットルだったという。
車重が1.8トン近くもある大型セダンながら、2.0リットル級セダンと同等以上の燃費というのは、ディーゼルの面目躍如というところだろう。ちなみにダイムラークライスラーのテストでは、テキサス州ラレードからフロリダ州タラハシ間1672kmを無給油で走破したさいに21.05km/リットルを記録したという。
ディーゼル車の導入を担当したダイムラークライスラー日本の新道学氏は、「都内の一般道などでも、燃費はガソリン車よりずっといい。ディーゼルNO作戦を推進してきた東京都からも、排ガス規制に適合しさえすればディーゼルはCO2削減にきわめて有効なソリューションであると、歓迎する意向を示していただいています」と語る。
E320CDIは日本市場におけるディーゼルブームの火付け役となれるか!?