「ディーゼル乗用車を日本に再導入するにあたって、われわれはかつてない規模でスタディを行いました。イギリス仕様のモデルを30台ほど輸入して、クリーンディーゼルを知ってもらうためのキャンペーンも行ってきました」
ダイムラークライスラー日本・MCG商品企画部でディーゼル乗用車を担当している新道学氏は、日本市場におけるディーゼル乗用車普及への意気込みを語る。
「ベンツは昔から、日本市場でもディーゼルを必ずラインナップに入れてきた。ディーゼルモデルがない今の状況のほうが特殊なんです。ディーゼルを乗り継いできた顧客からも、ディーゼルは売らないのかという声が出ていました」(新道氏)
日本ではディーゼルに対してネガティブなイメージが強いと言われているが、かつて石油ショックで燃料価格が高騰したときは、高級車でもディーゼルが流行したことがある。日本では税制の関係で軽油の販売価格が安く、ディーゼルのランニングコストメリットは圧倒的だ。昨今の世界的な原油高騰は、ディーゼル車の優位性を認知させるのに絶好の追い風であることは間違いない。
「今後、もっと下のクラスにもディーゼルを追加していきたいと思っているが、それを実現させるにはE320CDIのセールスを成功させるというのが絶対条件。昔は燃費だけで選ばれていたディーゼル車ですが、今は動力性能など商品の魅力でも選ばれうるクルマになっている。ジャーナリストだけでなく、ユーザーにも実際にドライブフィールを体感してほしい」(新道氏)
近く、メルセデスベンツの主要ディーラーに、このE320CDIの試乗車もお目見えする。新世代ディーゼル車のステアリングを一度握ってみるのも悪くないだろう。