マツダ『ロードスター・パワーリトラクタブルハードトップ』(RHT)の車両重量は、同じ装備グレードのソフトトップ仕様に対して37kgの増加に抑えられている。
ロードスターの開発主査を務めた貴島孝雄さんは「パワーリトラクタブルハードトップのルーフパネルは、『プレマシー』のバックドアなどにも使われている樹脂素材を使うことで、重量の増加を抑えています。ほかにもモーターを小型化するなど、ロードスターの持ち味である軽快感を損なわないように努力しました」
「ただしトランクリッドは、ソフトトップ仕様ではアルミ製ですが、パワーリトラクタブルハードトップ仕様ではスチール製になっています。ダウンフォースを得るために後端を跳ね上げ、アルミ製では不可能な複雑なデザインを採用したためです。この部分は逆に2.5kgほど重くなってしまいました」という。
実際にパワーリトラクタブルハードトップの車両重量は、1130−1140kgと電動ハードトップ車としては非常に軽量だ。1.6リットルのコンパクトカーがベースのプジョー『206CC』でも1210kgなので、パワーリトラクタブルハードトップが、いかに軽量かわかる。
ベース車がクーペやハッチバックではなく、もともとオープンカーということを差し引いても、パワーリトラクタブルハードトップのシステムは非常に軽量に仕上がっている。