レクサスの国内展開の第一弾だったのだけど、ま、出だしとしてソコソコよかったって感じだろう。
BMW『5シリーズ』やメルセデスベンツ『Eクラス』と対抗するこのモデルのこの外観は、ちょっと見た目の印象が弱いと思った。いや、完全に食われているといえる。全体的にボディの特徴が多少薄いし、しかもヘッドライトまわりのライトとボンネットのカットラインが忙しすぎる。
インテリアは、座ってみると確かに高級感に溢れている。レクサスだから質感も世界一流。だけど、このクルマはレクサスの世界的な戦略モデルにしては、リアシートのヘッドルームが足りない。
エンジンも2種類用意されていて、アイシンの6速ATとV8ユニットとの組み合わせが気持ちがいい。パワーはさておき、やはり最大の価値はスムーズネスと静かさ。とくに静かなことにおいては、多分世界一のV8だろう。でも不思議なことに、レクサスがもっとも欲しがっている部分、つまりソウル(魂)をどこにも感じられなかった。
■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
ピーター ライオン|モータージャーナリスト/コラムニスト
60年豪州生まれ。88年から東京を拠点に自動車評論活動を始める。現在、米・英・独・伊・豪・日本など10か国の有力誌に寄稿。(日本)COTY、(米)カー&ドライバー誌「10ベスト賞」、ワールドCOTY賞、国際エンジン賞、各選考委員を務めている。