今回のメルセデスベンツ『Eクラス』のマイナーチェンジでは、新型V8エンジン搭載の「E550 アバンギャルドS」や「E63AMG」なども新車種として挙げられているが、最も注目を集めたのはディーゼルエンジン搭載の「E320CDI」。
日本ではディーゼルエンジンのイメージが悪く、急激にその数を減らした経緯がある。最近のメルセデスベンツでは、2000年に『Mクラス』にコモンレール方式のディーゼルエンジンを搭載した「ML270CDI」というモデルがあった程度。
E320CDIに搭載されたエンジンはCDI(コモンレール・ダイレクト・インジェクション)で、ピエゾインジェクターを使ってより精密な燃料噴射を可能にした新世代のエンジン。メルセデスベンツが導入することで、ディーゼルエンジンの“復活”をアピール、環境や低燃費を売りにしたEクラスのイメージアップ戦略も伺える。
ディーゼル・プロジェクト・マネージャーの新道学氏は、ディーゼル車の販売についてははまず「Eクラスでの導入に成功することが重要」と強調した。具体的な販売目標については、はっきりとした目標数値ではないと前置きした上で、CDIの比率は10%ほどになると予想をコメントした。これは受注よりも生産体制や国内への導入数などによって左右されるのだという。
なお、E320CDIの予約受注は8月28日より開始されるものの、納車時期は少し先になる。最も早いユーザーへの納車についても新道氏は10月末から11月くらいとした。年内にはまとまった数の新世代のディーゼルエンジン搭載車が国内を走りまわることになる。