【池原照雄の単眼複眼】家庭充電で走るハイブリッドの新たな夢

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2010年代早期にハイブリッドの車種は倍増

トヨタ自動車は、環境対応の中核技術と位置づけているハイブリッド車の開発を加速させる。2010年代の早い時期までに、乗用車系ハイブリッド車の設定モデルを現行の7車種からほぼ倍増させる計画だ。並行して、家庭のコンセントなど外部電源から充電可能な「プラグインハイブリッド車」の実用化についても着手したことを明らかにした。

トヨタは今年35万台規模のハイブリッド車を生産・販売する計画だが、2012年までには100万台に増やし、レクサスを含む乗用車全体の1割程度をハイブリッドとする。車種の倍増計画は100万台実現への裏付けとなるもので、量産により目標とするハイブリッドシステムのコスト半減も図る。

◆市街地は排ガスのないEV走行で

新たに開発に着手した「プラグイン」タイプは、EV(電気自動車)走行できる距離を大幅に延ばし、「とくに市街地走行時の大気汚染を抑制する」(渡辺捷昭社長)狙い。エンジンとモーターによる走行を高度に制御するトヨタのハイブリッドシステムならではの技術展開となる。
現行『プリウス』の場合、EV走行は速度55km/h以下で距離は最大2km程度まで。発売されたばかりの『エスティマハイブリッド』だと25km/h以下で数百メートル程度にとどまる。

「プラグイン」では2次電池の容量を大幅に引き上げ、少なくとも10km以上を目指すことになりそう。家庭のコンセントなど外部電源からのプラグインによる充電のほか、減速エネルギーを回生するシステムも搭載する見通しだ。

◆ソーラー発電からプラグインという手も

問題はすべてのハイブリッドの課題である2次電池の性能向上。開発担当の瀧本正民副社長は現行の電池で「60kmのEV走行をするにはプリウスの12倍の電池容量が必要」という。プリウスの荷室スペースいっぱいに電池を積むというイメージだ。

このため「プラグインの実用化には2次電池の画期的な改良が必要」(瀧本副社長)とも指摘する。トヨタも独自開発している次世代のリチウムイオン電池で、エネルギー密度の大幅なブレークスルーが課題となる。

それにしても、自宅のコンセントからマイカーにエネルギーを注入するというのは想像するだけで、楽しい気分になれる。割安な深夜電力もいいが、ガレージの屋根にソーラーバッテリーを張り巡らせてクリーンエネルギーをプラグインという夢も広がる。

《池原照雄》

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