イタリア、フィアットに、インド人重役が誕生する。これはフィアット創業家一族を中心とした投資会社で、同社株の30.06%を保有するイフィル社(本社トリノ)が18日に発表したもの。
取締役に就任するのは、インド人実業家ラタン・タータ氏。同国有数の企業グループ「タータ」の創業家出身で、米コーネル大学とハーバード・ビジネス・スクールを卒業している。 91年にタータ・ソンズ・リミテッドの会長に就任。自動車会社タータ・モーターズ、タータ紅茶、インディアン・ホテルズなど関連企業の会長を兼任しながら現在に至っている。
フィアットとは昨年、インドにおけるタータ・ルートでのフィアット車販売をはじめ、開発、部品、購買などの分野で業務提携に調印した。また、主力小型車『インディゴ』のデザインをトリノのデザインハウス「イデア・イスティトゥート」に依頼するなど、以前からイタリアと縁が深い。
ここのところ、『グランデプント』の好調な売れ行きに支えられ、フィアットの株価はバブルともいえる上昇を見せている。創業年もより古く(タータ1868年、フィアット1899年)グループ従業員数も多い(タータ22万人 フィアット17万9000人)インドの巨人から、フィアットはさらなるパワーを授かることができるか?
タータ氏の正式な取締役就任は、5月3日に開催されるフィアットの株主総会で議決される。