日産自動車のカルロス・ゴーン社長は21日、東京の日産本社で記者会見し同社が所有する日産ディーゼル工業の発行済み株式19%のうち13%をスウェーデンのABボルボに売却すると発表した。会見にはボルボのレイフ・ヨハンソン社長、日産ディーゼルの仲村巌社長も出席した。
トラック大手のボルボには、仏ルノーが約20%を出資しており、ルノー・日産グループ内での株式売買となる。日産が売却するのは4000万株で、ボルボは筆頭株主となる。日産は6%の保有で第2の株主となる。
売却額は約15億スウェーデンクローネ(約226億円)。株式の異動は29日に行う。日産の残る保有分6%についても今後4年間はボルボが優先的に買い取るオプションを付けた。
ボルボは日産ディーゼルとの協業を進め、日本やアジアでの事業拡大につなげる。また、日産とボルボは、日産の合弁企業である中国の東風汽車との事業協力についても検討を進めることで合意した。ゴーン社長は「日産ディーゼルにとってボルボは利益ある成長を可能にする最良のパートナー」と述べた。