ジュネーブモーターショーでワールドプレミアとなった日産のコンセプトSUV『テラノート』はフィールドワークを行う科学者のためのクルマだ。
SUVにもかかわらず3人乗りなのは、2人がフィールドに出てサンプルを回収し、ひとりは車内に残って回収されたサンプル分析をする、というコンセプトのため。リアに備えられたエアロックにサンプルを入れ、エアロック内部の様子は天井から吊るされた大型スクリーンで観察ができる。またセンターコンソールにはクーラーボックスも装備されサンプルの保存に利用できる。
苛酷な環境でのフィールドワークを前提としているため、テラノートにはエアコンプレッサーが内臓されており、タイヤの空気圧を状況に応じて調節することが可能になっている。タイヤパターンのグレーの部分が空気圧によって縮小する仕組みだ。これによりオフロードだけでなく、オンロードでの走行性能アップにも貢献するとしている。
このようにハイテク機能満載で、まさにコンセプトカーのインテリアに比べ、「エクステリアデザインは日産SUVの伝統を受け継いだSUVらしいものにした」とデザイナーのポール・マーレー氏は語る。となるとこれは次期『テラノ』のデザインスタディでは……、と思ったのだが「テラノートは純粋なコンセプトカーですよ」とさらりとかわされてしまった。