【池原照雄の単眼複眼】混戦必至の今季F1、そして来季の日本開催は?

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V8エンジンで昨季までの実績がご破算に

3月12日のバーレーングランプリを初戦に今年もF1(全18戦)のシーズンがやってきた。毎年、花粉症の発症とF1開幕で春の到来を実感している。20日にはホンダが2006年のモータースポーツ体制を発表した。F1では第1期(1964-68年)以来のワークスチームで参戦するほか、佐藤琢磨選手ら2人の日本人ドライバーによる「スーパーアグリ・フォーミュラ1」チームへのエンジン供給など話題も豊富。参戦5年目のトヨタ自動車を含め、今年こそは日の丸マシンの優勝が期待できる。

今季はエンジンをV10型3リットルからV8型2.4リットルへと大幅なレギュレーション変更が行われた。このことが、昨年までの実績を、ほぼご破算にするような事態を呼んでいる。20日に東京で会見した「ホンダレーシングF1」チームのニック・フライCEOは、ここまでの各チームの開発状況から面白い指摘をした。

◆8チームに優勝のチャンスが

出走11チームのうち、「8チームは(シーズン中のいずれかで)勝てる能力がある。かつてない競合になる」というのだ。そのうえでホンダはもちろん、優勝の「能力」があるチームとして昨季のチャンピオンであるルノー、ウィリアムズコスワース、フェラーリなどを挙げた。昨季の好調を持続するルノーが「1番のライバル」と言う。

ホンダの福井威夫社長にこの見解の妥当性を尋ねると「8チームは無理だろうが、5チームくらいは可能性があるね」と返ってきた。昨季が散々なシーズンだっただけに、公式の挨拶では「優勝宣言」が出なかった福井社長だが「ワークスにしたのは、(チームに)言い訳をさせないため」とし、表彰台の真ん中は当たり前といった顔だった。

◆07年からは鈴鹿に富士も加わる?

日本のファンにとって気掛かりなのは、今季で契約が切れる日本グランプリの来季以降の開催地。鈴鹿サーキットとトヨタが保有する富士スピードウェイとの誘致合戦が水面下で続いている。

「鈴鹿と富士で隔年開催すれば丸く収まる」と言う向きもあるが、ホンダ幹部によると「そうした契約の可能性はゼロに近い」そうだ。

福井社長は「鈴鹿は昨年まで連続20年開催してきた」と、実績を強調する。一方で「かつてパシフィックグランプリが日本で開催されたこともある」とつぶやいた。つまり、日本で2度開催できないことはないというわけだ。

ホンダもトヨタもサーキット運営は赤字。それだけに最大の動員力をもつF1誘致は収支改善に欠かせない。どうやら、来季は日本で2度、F1が楽しめるという展開を期待してよさそうだ。

《池原照雄》

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