プジョー『1007』のトランスミッションは、5速MTをベースに開発された「自動5速2トロニック」。ギアチェンジとクラッチ操作をロボット化することで、通常のトルコン式ATと同様、変速操作なしで走れるというものだ。
通常走行時は完全自動変速の「オートモード」に入れておけば、ドライバーのドライビングスタイルや路面状況に合わせてコンピュータが最適のギア段を選択。ATのようにイージーに走ることができる。
山岳路など、スポーティな走りを楽しみたいシーンでは、ドライバーがギアを任意に選択することもできる。「シーケンシャルモード」では、ドライバーはシフトレバーやステアリングのパドルシフトによってシフトアップ、シフトダウンを行う。
この2トロニックのメリットはMTと同様、乾式クラッチを用いているため、一般的なATやCVT(無段変速機)に比べてエンジンのトルクの伝達効率が良いということ。動力性能ばかりでなく、実走行時の燃費性能もMT並みの良さが期待できる。デメリットは、ATと異なりクリープ現象(Dレンジに入れてブレーキを緩めると微低速で動き出す現象)がないこと。既存のAT車を所有するドライバーにとっては、最初のうちは慣れが必要だろう。