富士経済は、「2006年版次世代技術にチャレンジする自動車産業の21世紀R&D戦略」をまとめた。
2005年11月から12月に自動車メーカー8社、自動車部品メーカー127社を対象に中期事業計画の方向、R&D体制、研究開発投資、次世代技術などについて調査した。
調査結果によると、自動車メーカー8社の04年度の研究開発費は1兆7585億円、売上高41兆3640億円のうちの4.3%を占めた。トヨタが6583億円(売上比率3.8%)、次いで日産が3981億円(売上比率4.9%)、ホンダが売上比最大の5.5%に当たる3829億円を投入した。
最も売上比率の低い三菱自動車は688億円を充てた。05年度の計画では、トヨタが6700億円と前年を120億円近く上回り、日産、ホンダも4000億円強を投下する。また、スズキは03年度から毎年100億円増の研究開発費を注ぎ込み、05年度は750億円を投じる計画。
また、04年度の研究開発費は、自動車関連売上の伸び率6.0%増を上回る8.8%増、1400億円以上の増加だった。グローバル化に向けて中長期の取り組みを推進する自動車メーカーの戦略が見え隠れする。
一方、自動車部品メーカー94社の04年度の売上高は、19兆5953億円、研究開発費はそのうちの4.2%を占める8279億円だった。04年度の研究開発費は、自動車関連売上高の伸び率12.3%増をやや下回る10.3%増、770億円以上の増加だった。
部品メーカーの中で、デンソーは2324億円と最も多く、前年から2000億円超の資金投入をしており、05年も2300億円規模の計画が進められている。自動車のエレクトロニクス化に伴なう課題に対応可能なグローバル企業を目指しているため。
研究開発費ランキングでは、2位がアイシン精機で910億円、3位がブリヂストンで596億円、以下住友電気工業299億円、カルソニックカンセイ260億円、アルパイン225億円と続く。