東京モーターショー(10月19日−11月6日)関連イベントとして2日に国際会議場で「カロッツェリアが目指すもの」と題し、フェラーリなどのデザインで知られるピニンファリーナ社のデザイナーである奥山清行氏による講演が行われた。
奥山氏はイタリア人以外で初めてピニンファリーナのデザインディレクターとなった人物である。代表作として、フェラーリ『612スカリエッティ』、『エンツォ・フェラーリ』、マセラティ『クワトロポルテ』などそうそうたるクルマがある。
GM、オペル、ポルシェのデザイナーとして経験を積み、シボレー『コルベット』、ポルシェ『911』、フェラーリと、欧米を代表するスポーツカーをすべてデザインしたことがある世界唯一のデザイナーでもある。
カロッツェリアがイタリア北部に集中している理由として奥山氏は、「北イタリアの地の利とカロッツェリアを長く支えてきたフィアット、そして貴族や映画俳優などの顧客がいたこと」と述べた。
カロッツェリアはもともと特注ボディを作るガレージだった。それが1950年代からメーカーに対してデザインを提案するようになり、1960年代には限定台数のニッチカーを生産するようになった。さらにここ20年ぐらいでエンジニアリングにもその範囲を拡大している。
現在、ピニンファリーナには約3000人の社員がおり、その規模はフェラーリとほぼ同じである。年間7万5000台の生産能力を有し、フェラーリを始めとする、さまざまなメーカーの生産を請け負っている。