昨年、リコール情報隠蔽で致命的とも言えるイメージダウンに見舞われた三菱自動車。どん底からの復活をかけ、新品質管理システム「ISQC」を導入。『アウトランダー』もその新システムのもとで作られている。
ISQCとは「In Stage Quality Creation」の略。完成検査だけでなく、製造工程のあらゆる段階で品質の確認を行うというもの。一般にQCといえば、クオリティコントロールの略だが、「品質を管理するだけでなく、作り出していくという思いを込めて、クリエーション(=創造)とあえて名付けました」(生産・物流本部・須江隆行氏)。
従来、三菱では40−60人という単位で作業のチーム分けがなされていた。が、「大所帯ではどうしても末端まで管理や教育が行き渡らない。そこで作業チームを思い切って細分化し、6−7名単位とし、チームリーダーが中心となってスタッフの教育やフォローアップを細かく行っていくことにしました」(須江氏)
小チーム化は教育や管理の徹底だけでなく、チームの実情に応じた目標設定や到達度測定も非常にやりやすくなる。そこで連想されるのは、同様の効果を狙った「トヨタ生産方式」だが、ISQCは実際「トヨタのやり方を参考にシステムを作った」(須江氏)のだという。三菱は再建計画の策定中、トヨタからエンジニアを呼んで品質管理のための講演を実施したことがあった。ISQCはそれが形となってあらわれたものとも言える。三菱車は今や、“トヨタクオリティ”!?